SWEAT

“スウェット”を発明したラッセル・ジュニア

1920年、高校でフットボールチームに所属していた創業者の息子ラッセル・ジュニアが、
それまではウールで製造されていたフットボールシャツをコットン素材に改良することを父親に提案する。
汗によって皮膚のすりむけが起こったり、着心地が悪くなることを改善できると考えたからだ。
父親はこの意見をさっそく取り入れ、コットンバージョンのフットボールシャツを生産したところ、ただちに学生やスポーツプレーヤーに受け入れられ広がっていった。
これは、現在販売されているスウェットの原型となっており、100年近くたった今でも、そのデザインはほぼ変わっていない。

“他社に真似できない”最高級レベルを誇るコットン素材

ラッセルには、ブランドの代表となるコットン・シリーズが2タイプある。一つは、プロスポーツ選手のトレーニングを想定して開発された「プロコットン」だ。
ずっしりとした重量感があり、大量の汗をしっかりと吸収する。そのうえ人間工学に基づいて縫製されたかのような動きやすさと、型崩れしない頑丈さも兼ね備える。さらに、洗えば洗うほどにいい味わいを見せれくれるのも、ヴィンテージスウェット愛好者から一目置かれる存在になった所以である。
もう一つは、1991年に登場したコットン50%・ポリエステル50%配合の画期的なファブリック「ニューブレンド」。最先端の技術が注がれたこのコットンは、まるで下着のように毎日脱ぎ着されても、色あせが少ないのが特徴だ。

プロスポーツ選手のトレーニングを想定して開発された《プロ・コットン》。ずっしりとした重量感と型くずれしない頑強さに加え、大量の汗をしっかり吸収する吸汗性の高さが特徴。

防縮加工を施した生地ならではの優れた機能性とタフな耐久性を兼ね備えた《ハイ・コットン》。重量感としっとり感のある風合いが特徴。

コットン50%・ポリエステル50%を配合した《ニューブレンド》は毛玉が出来づらく色褪せが少ない特徴を持つ。また、軽くて柔らかく、乾きが早い。

プリント技術の革命”ラス・プリント”

アメリカのアスレティックウエアに欠かせないのが、色彩豊かなプリントデザインである。しかしコットンのスウェットが誕生した当時の技術では、洗濯をすれば色落ちをしたり、均一に塗料がのらなかったりと問題が多かった。しかしついに1938年、世界で初めての
ラス・プリントを開発する。企業秘密の塗料を使い、350度の高温でプリントして約1分、乾いた後は、洗濯や乾燥を何度繰り返しても色あせず、運動などの激しい摩擦にも負けない抜群の耐久性をもつ。
発売当時の「たとえウェアは擦り切れても、ラス・プリントだけは残る」というキャッチコピーが相当の頑丈さを物語る。